cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

バスクの旅2・BIARRITZ前編

だいぶん間があいてしまいましたが、バスク旅行の続きを書こうと思います。まずはビアリッツから。前回「サン・ジャック・ド・リュズ編」はこちらでどぞ → 「バスクの旅1・サン・ジャン・ド・リュズ編 - CIPOLINAの甘い生活

 ビアリッツはパリから電車で約5時間(飛行機で1時間少々)。フランス南西部・バスク地方にある海辺の町です。日本ではニースやカンヌほどには知られていませんが、華やかな歴史にいろどられたヨーロッパ有数のリゾート地。1854年、ナポレオン三世がこの地に別荘をかまえ、以来イギリスのヴィクトリア女王、スペインのアルフォンソ王など各国の王族や貴族が夏の休暇を過ごす保養地として栄えました。1900年代に入るとピカソコクトー、デュマ、ココ・シャネルなどベル・エポック時代を代表する芸術家や文豪、デザイナーたちがつどい、夏の社交場として一時代を築いたそうです。

往時の面影はうすれてもなお・・・美しいヴィラが立ち並ぶ坂道。高く澄んだ空。かげろうにゆれる白い灯台。細くのびた道の向こうから思いがけずあらわれる碧い海。ピンクと青紫のあじさいが咲き誇る6月のビアリッツは光にあふれていました。


 サーファーズ・パラダイスとしても名高いビアリッツ。手前は遊泳用で、奥はサーフィン専用エリアになっています。でも泳いでいる人は少なく、多くの人は日焼けに専念している模様。ビーチではトップレス姿がお約束のようです(?)。もちろんおばあちゃまたちだって例外ではありません。お日様の光はなににもまさる贅沢。全身で幸せを感じなくては。そしてお昼を食べたらシエスタの時間。お店も閉まり、町からは人の気配が消えます。私もホテルに帰って昼寝ですZZZZ。




 ビアリッツは、映画「海辺のホテルにて」「緑の光線」、そして最近ではオドレイ・トトゥの「プライスレス 素敵な恋の見つけ方」(2006年)など数々の映画の舞台となった場所。また「ピカソの水浴の女たち」はあまりにも有名。
 

 前出の映画「緑の光線」のモチーフになっているのは、ジュール・ベルヌの同名小説。太陽が大西洋に沈む刹那に放つ緑色の光線。もしもこの光を見ることができたなら人の心が分かるようになる。そんな言い伝えがビアリッツにはあるとのこと。ホテルのマダムに聞くと「夕陽を見るのに絶好のポイントがあるのよ」。彼女が地図に印をつけてくれたのは、町の中心から20分ほど歩いたところにある「処女の岩(Rocher de la Vierge)」。岩にかかる橋は、エッフェル塔の設計者、ギュスターヴ・エッフェル氏によるものだそうです。
しかし、日が暮れるのは夜10時半頃。いったんホテルに帰って、ちょっと一休みのつもりが、グーグー寝てしまい、起きたら真っ暗でした。無念。

 後編に続く・・