cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

フェッラレーゼになって、街を走ろう

 実際、自転車に乗ってみると、この街はとても走りやすいのです。坂がなく、道が整備されていることもありますが、一番の理由は「右側走行が守られているから」でしょう。

 また、うるさい「ベル」を鳴らす人もいません。というか、ベルを付けている人の方が少数派です。「チリリン」と鳴らして、歩行者を脇道にどかせるなんてことはありません。車に乗ると自分勝手なレーサーに変身するイタリア人とは思えない、まじめな(?)走りっぷりです。右に行くときは右手を水平に挙げるなんて、遠い昔の小学生のころに習ったやり方を思い出してしまいました。

 商店街や観光ポイントには、必ず前輪を差し込んでカギをかけられる駐輪スペースがあります。石畳のガタガタする道には両方向に自転車用の細いレーン。バスにも「自転車持ち込みOK」のマーク。世界遺産に指定された旧市街を守るため、「自転車」を優遇する様々な工夫が街全体にほどこされています。

 フェッラーラのホテルでは、無料で自転車を貸してくれます。例えその案内がどこにも書いていなかったとしても、一声かけてみてください。きっと貸してくれるはずです。私は2カ所のホテルで借りましたが、どちらも「貸してください」というと、むしろ喜んでくれました。

 ホテル以外でも、レンタサイクルのお店はたくさんあります。1時間2ユーロ、3時間5ユーロほどと値段もお手頃。イタリアらしいかわいい自転車がたくさんありましたので、お気に入りを探すのもいいかも。フェッラレーゼになったつもりで、レンガ色の中世の街をスイスイ走っていくのはなかなか爽快です。