cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

和三盆は淡雪の味

ふと思い立って、黒糖ドーナッツを作ってみました。黒糖は濃厚で独特な味わい、香りにも特徴があります。しかし、味見をすると少し甘みが足りません。パウダーシュガーをふってしまおうと思いましたが、「それではせっかくの風味が消えてしまうかも」と手が止まります。棚をゴソゴソと探していたら、先日買った「和三盆」が出てきました。
しかし、私には和三盆はまだまだ未知の食材。お菓子に使ったことはありません。お盆の上で3回揉むことから(実際にはもっと揉んでいる)名付けられた和三盆は、讃岐や阿波で未だに手作業で作られている貴重なお砂糖。日本のスローフードの代表格ではないでしょうか。落雁などの高級和菓子に使われてきたこの「和三盆」の上品な甘さは、最近洋菓子の世界でも注目されているようです。
私は香川の物産館で三谷製糖(http://www.wasanbon.com/)のものを購入しましたが、350gで1050円。間違いなく世界一高いお砂糖です(涙)。口に含んだ途端、はかなく消えていく淡い味。最初食べた時は腰がくだけそうになりました。って、それはちょっと大げさですが、一度は食べてみる価値があります。
グレープフルーツやイチゴなどにかければ、それだけで立派なスイーツに変身。でしゃばらず主張しすぎない、それでいて圧倒的な存在感、これが和の心というものでしょうか。きな粉に混ぜたり、コーヒーに一匙入れてみたりと、少しずつ使っています。また製菓学校の先生に聞いたところ、煮物の隠し味にも最適とのことでした。
いつも特別扱いしている女王様を今日は恐れ多くもドーナッツにタップリまぶします!! 多分これはどこにも売っていません。単価高すぎますもの。