cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

Torta Caprese (トルタ・カプレーゼ)


 カプレーゼと聞くとトマトとモッツァレッラを想像してしまいますが・・・。お菓子にもカプレーゼがあることを、そっと主張したいと思います。
本日のおやつは、Torta Caprese (トルタ・カプレーゼ)。青の洞窟で知られる南イタリア・カプリ島のチョコレートケーキであります。
1920年代、アル・カポネの命を受けてカプリ島を訪れたギャングたちをもてなそうと、島の菓子職人がチョコレートケーキを用意することに。ところがです。粉を入れ忘れるというハプニング発生。Accidente!!(アッチデンテ=なんてこったい!)と言ったかどうかは分かりませんが、そこで開き直るのがイタリア人。作り直さずそのまま出してしまうんですな。あはは。
しかしこれが驚くほどおいしかったそうで、カポネご一行も大いに満足。
偶然から生まれた粉忘れのチョコレートケーキは、「トルタ・カプレーゼ」と名付けられ、大評判になったそうです。


イタリアを代表するドルチェとあって様々なレシピが存在します。多くはアーモンドパウダーを使っていますが、イタリアといえばアーモンドの産地。アマルフィの「Dolceria dell 'Antico Portico」のように、ローストしたアーモンドを用い、香りと食感を楽しむことを勧めているものもあります。せっかくなので私もローストアーモンドで。もちろん香り付けにカプリの特産品でもあるレモンの皮も忘れずに。卵は別立てか共立てかで意見が分かれるところですが今回は共立てで。最後に溶かしたビターチョコレートを加えしっとりと焼き上げます。

余談でありますが、カプリで見た月の美しさは私の中の忘れ得ぬ景色の一つであります。もしももう一度行くことができたなら、「HOTEL LUNA(月のホテル)」というところに泊まってみたい。飾りのレモンを切りながらあの日の月を思うのでした(遠い目)。