cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

パティスリー・スリール

 学芸大学から徒歩10分、駒沢通り・五本木の交差点から数分のところに、新しいケーキ屋さんができました。
お店の名前は「パティスリー・スリール」。2日前にたまたま見つけたアサヒ・コムhttp://www.asahi.com/life/food/sweets/TKY200505110276.html?t)の記事によれば、「資生堂パーラー」や「ロオジエ」のシェフ・パティシエが独立して作ったお店とのこと。華やかなレストランデザートとクラッシックな洋菓子。この両方を経験したシェフのケーキはどんなものなのでしょうか。

通りの反対側から歩いてきてもパッと目をひく、オレンジと白を基調としたガラス張りの建物。真っ白なドアがまぶしいお店です。店内には生菓子の他にバウンドケーキやフィナンシェなどの焼き菓子もたくさんあります。まずは、基本のスポンジ生地とシューを試したいので、「スリジェ(イチゴのケーキ)」と「リッチ(ライチのケーキ)」と「バナナとキャラメルのシュークリーム」を選びました。また、おみやげ用に「ケークカラメル」というキャラメル味のパウンドケーキを購入。
  ところが、あまりにも期待が大きかったせいでしょうか。食べてみると、「ふーむ。なんだか普通」。どれも丁寧な作りなのですが、どことなく控えめでインパクトがない。無難にまとめた「優等生のケーキ」、そんな印象を受けました。
  もし、これが私の実家のあたり(神奈川県のはずれの方)にできたお店だったら絶賛してしまったところですが、世田谷・目黒エリアといえばケーキ激戦区。「オーボン・ビュータン」や「パティスリータカギ」「モン・サンクレール」など名店が競い合う地域では、少々点も辛くなりがちです。
  焼き菓子の「ケークカラメル」(キャラメルのパウンドケーキ)は、同じくアサヒ・コムを見た知人から是非にと頼まれた品。ところが、用意されたのは奥から運んで来た「できたて」のもの。パウンドケーキとは「焼き戻された翌日からが食べ頃」のはずです。在庫がなくて、しかたなく今日のものを出したのだとしたら、「一日たってから食べてください」と一言そえるべき。「パン」なら焼きたてが嬉しいんですけどね。パウンドケーキとなると話は違います。
  近くの公園に行って、試食してみると、案の定パサパサとした食感。キャラメルの深い味わいも香りも、これでは台無しです。ところが、時間をおいてもう一度試してみると、まるで違うもののようにしっとりとした生地に変化しています。
 生菓子、焼き菓子にはそれぞれ食べるタイミングがあります。せっかく心をこめて作ったものでも、一番おいしい状態を逃しては意味がありません。サービスの人もまだ慣れていないのかもしれませんが、もう少し気を配られた方がいいように思いました。
 住宅街の中のケーキ屋さんとして、これからがんばって欲しいという思いを込めて、今日のcipolinaの星は★★★☆☆。 
 でもこのパウンドケーキ、ほんとは「おみやげ用」だったはず?端っこをちょっと味見しようと思っただけなのに(そこが間違いのもと)、気づけば全部食べていました。この言い訳はどうしたらいいのか?? 私への評価の方はだいぶん低くなりそうです。