cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

京都 「いもぼう平野家本店」




 京野菜のひとつ「海老芋」を使ったお料理をいただこうと、円山公園「いもぼう平野家本店」さんへ行ってまいりました。

 海老芋と棒鱈を一緒に炊いた「いもぼう」は、享保の昔、300年ほど前から伝わるお料理。始まりは円山に住まわれていた青蓮院の宮が九州行脚から持ち帰った唐芋。それをこの地に植えたところ「海老」の姿に似た見事な芋ができたことから、「海老芋」と名付けられたのだそうです。「海老芋」は当時都で珍重されていた「棒鱈」と炊きあげられ大変な評判になったのだとか。
「海老芋のアクが棒鱈を柔らかくし、棒鱈のコラーゲンが海老芋の煮崩れを防ぐ。「海の幸」と「山の幸」が助け合うことによっておいしさが生まれることから、縁起のよい「出合いもの料理」と呼ばれているそうです。(お店の方のお話&リーフレットより)。


海老芋の収穫時期は11月から4月まで。それ以外の季節では小芋を使っているのだそうです。これはなんとしてでも冬に来なくちゃいかんですな。 



「初物をいただくと寿命が3年のびるのよ」
「じゃ、二個入ってるから6年長生きできるね」
ふすまをへだてた隣のお座敷(想像:おばあちゃんとちびちゃん)の会話が聞こえてきて思わずニッコリ(←勝手に参加するな)。
昔の人の深い知恵。滋味あふれる味わい。冬の京都のごちそうは、心とお腹をじんわりと温めてくれるのでありました。