cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

Verrine Fraises (イチゴのヴェリンヌ)


 こないだの水玉を応用して、イチゴのヴェリンヌを作ってみました。上からイチゴのクーリ。バニラパンナコッタ。イチゴの角切りコンポートの三層になっています。色気を出そうと(?)、トップにマカロンを置いたら、写真を撮っている間に水分を吸ってグニグニになってしまいました。こういう上にのせちゃだめですな(反省)。色気はいざというときのためにとっておかないと(いざっていつ?)








「心に残った本」


 さて、はてな今週のお題は「心に残った本」とのことですので、最近読んだ本の中から2冊↓。両方とも木内昇さんの本です。


茗荷谷の猫

茗荷谷の猫

江戸時代から昭和にかけての東京を舞台にした9つの物語。最も心に残ったのは一話目の「染井の桜」。江戸末期。巣鴨染井が舞台。武士から植木職人になった徳造は新種の桜「吉野桜」を作ることに成功します。望む人がいれば気前よく苗を分けた徳造。後に「染井吉野」とよばれる桜は、名も無き一人の職人の手から生まれたというお話。これから桜を見るたびに思い出してしまいそうです。


漂砂のうたう

漂砂のうたう

 明治10年、根津遊郭が舞台。御家人の次男坊であったが今は廓の立ち番として生きる主人公。過去を捨て未来を見失い、行き場の無い日々をゆらゆらと漂って生きている。物語は遊郭きっての人気を誇る花魁・小野菊、主人公につきまとう噺家ポン太、立ち番の龍造、やくざ者の男たちなどがからんで、夢と現実の世界を交錯しながら、しだいに不穏な空気をはらんでいく。粋な旦那衆というのはどういうものだったのか。履き物のすり切れ方、立ち方、歩き方で客の素性を見極める「立ち番」の目線が興味深い。新政府からのお達しで花魁たちは自由の身になったにもかかわらず、どこにも帰る場所がなく、とどまるしかなかったという話はなんとも切ない。明日に絶望していても今日を生きるしかない人のさびしさと強さ。ラストの小野菊の決断に救われます。