「cipolina黒鮑と伊勢エビに倒るるの巻」
志摩のホテルで私は夢を見ました。真っ白なテーブルクロス。重たげなシャンデリア。ずらりと並んだカトラリー。金の縁取りのお皿に輝く黒鮑のステーキ。窓の向こうの英虞湾には月が浮かんでいました。「LA MER CLASSIC」の晩餐。
志摩観光ホテルのレストランは、先日のカレーだけではなく、黒鮑のステーキ、伊勢エビのアメリカンソース、伊勢エビクリームスープなどなど、数々の伝説のお料理がメニューに並ぶ名店。無類の海老好きであるワタシは、当初「伊勢エビ料理」をメインのコースのつもりだったのですが、今の時期(夏は)黒鮑がとてもおいしいとお聞きし、うーんうーんと悩みます。
するとどこからか、頭に角、お尻に黒い尾を生やした悪魔がやってきまして(だれ?)、「ここに泊まれるのは一生に一回だよ(断言)」「帰ったら断食すればいいんだよ」とささやいてきて・・・・・。
「明日死ぬかもしれないんだから悔いのないようにしよう」と後ろ向きなのか前向きなのかわからない決心を固め、鮑、伊勢エビ、松阪牛のコース(どさくさにまぎれ牛さんも追加)をいただくことにしました。写真↑、メインのスタートを切る「黒鮑のステーキブールブランソース」。
続いて、怒濤の伊勢エビ攻め。(←出てきた順番とはちょっと違いますが)。
伊勢エビの冷静コンソメジュレ
伊勢エビクリームスープ。あぁ。
とどめの伊勢エビアメリカンソース(←倒るる)。
最後は「松阪牛のトルヌードステーキ・マデラ酒ソース」。甘め煮詰めたマデラソースとマスタードの組み合わせにしびれました。トルヌードってなんだろうと思ったらフィレのことでした。フィレにはシャトーブリアン、トルヌード、フィレミニョンとあり真ん中のところがトルヌードとよばれているのだそうです。”トルネード(野茂?竜巻?)”とわけのわからない連想をしていたワタシってやつぁ・・・(恥)。
地元の食材を研究し、そのスタイルを確立し、永遠のスタンダードとなったラ・メールのお料理。志摩旅行を思い出すとき、真っ先に浮かぶのは、英虞湾の美しい景色と、このお料理だと思います。10年後、20年後になっても、家族の話題にのぼり、そしてもう一度来たいと思ったときに、あの日と同じメニューをいただけるというのはなんとステキなことなんだろうと思いました。いつかまた、そうもしかしたら、おばあちゃんになってしまうかもしれませんが・・。もう一度ここで同じ夢を見れたらと願うのであります。
でも来週からしばらくは断食・・・夢の余韻だけで生きていきます。はい。