サヴィニャックを訪ねて(前編)
「Raymond Savignac(レイモン・サヴィニャック)の町があるのを知っている? 」。
去年パリの友達が教えてくれたのは、フランス北西部ノルマンディーにあるTROUVILLE (トゥルーヴィル)という港町。ポスターアートの巨匠サヴィニャックは72歳から亡くなるまでの22年間をここで過ごし、多くの作品を残したのだそうです。
写真は「Promenade Savignac(プロムナード・サヴィニャック)」にて撮影。
「私がポスターに閉じ込めようとしたのは上機嫌なのである。ユーモアというよりは上機嫌なのだ。私はエスプリというやつが大好きなのだ」(「レイモン・サヴィニャック自伝」より)。
白い砂浜の遊歩道に並んだ「サヴィニャックのトゥルービル」は、道行く人たちを微笑ませ、なぐさめ、そして上機嫌にしてくれるのでした。
(一年遅れのフランス旅行記をはじめます)
亡くなる直前まで筆を動かしていたというサビニャック。
左上は「LES VAPEURS(レ・ヴァプール)」というカフェのポスター。90歳をすぎてからの作品。このポップ感♪
右下の「BAL DES AFFICHES(ダンスパーティのポスター)」は地元のカジノに依頼されたもの。ピンクのマドモワゼルはサヴィニャックの代表作「モン・サヴォンの牝牛」。ダンスのお相手は、グラフィックデザイナー・カッサンドルのキャラクター「Mr.デュポネ」。
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水色のポスターは「NOUVEAU RIRE」(新しい笑い)。カモメに鼻をとられているのはパントマイマーの「マルセル・マルソー」。
「カモメ」もまたサビニャックお気に入りのモチーフ。
↑学校の壁を飾った「TROUVILLE SUR LIVRES」。本のキャンペーンの時に描かれたものだそうで、眼鏡をかけたカモメは町一番の読書家??
ハートマークのポスターは、心臓リハビリセンターの壁画デザイン。キャッチコピーは「ATOUT COEUR」(ハートの切り札)。優しくて可笑しくて温かい。私にも少しだけわかるエスプリの意味。
サヴィニャック自身がモデルになった「SAVIGNAC A TROUVILLE」。別名「ひげのおじさんシリーズ」(勝手に命名・・)。
一枚目はキャンパスをかかえて海にいくところなんですかねぇ。カモメが絵筆をもってをお供に。二枚目はとうとう自分がカモメになっちゃっています。
もしかしたらサヴィニャックは天国へ行ったのではなく、カモメになって、今もトゥルーヴィルの空を飛んでいるのかもしれません。
人々を驚かせたくて。上機嫌で。 高く高く・・・。
旅は続きます。