Quatre-Quarts (カトル・カール)
焼き菓子倶楽部最終レッスンは、永遠のスタンダード「Quatre-Quarts(カトルカール=パウンドケーキ)」です。粉と砂糖と卵とバターを1/4ずつ。黄金比率から生み出されるしっとりとした生地はまさに魔法。お菓子の神様に感謝したくなるケーキです。
パウンドケーキは、長方形の型を使いますが、焼き上がりは「まっしかく」ではありません。そこには美しい曲線が存在します。それは「お・で・こ」。 マドレーヌ編では「でべそ」がテーマでしたが、パウンドは「fronte Bombe(突き出たおでこ)」に注目です。さぁ、今日はとびきりキュートな「でこちゃん」じゃなかった「カトル・カール」をつくっていきましょう♪
えー、お見苦しい写真で申し訳ないのですが、↑はパリ7区のパティスリー「Jean Millet(ジャン・ミエ)」のウィークエンドケーキ(シトロン味のパウンドケーキ)。
パリで見るパウンドは、どれも立派な「でこっぷり」。フランス人は、見栄えに関して非常に厳しいので、トップの膨らみは重要なポイント。そして日本の感覚よりも焼き込みが深め。ぎりぎりまで焦げ目を入れたものがよいとされています。いくつか見た中では、ジェラール・ミュロのものが、秀でた額といい焼け具合といい、最高でした(ほれた)。
理想のおでこを作るために必要なのは、「オーブンに入れて10分したら中央に切り込みをいれる」ということ。このひと手間で、「ゆるやかでこ」にも「ぷっくりでこ」にも変化させられます。
そして、ついでにもうひと手間。少し面倒かもしれませんが、パウンド型には敷き紙を。型より3cmくらい上になるようにセットします。高さも出て、焼いている途中で生地が横からあふれてくるというハプニングも防げます。。
あ、あと余計なお世話ですが、もし人からパウンドをもらったら「いいふくらみですねぇ」と誉めてあげるとよいかも??? そう!そこ!そこにおいしさがつまっているのよー!と話がはずむこと請け合い??(たぶん)。
「Quatre-Quarts」(カトル・カール)の作り方
【材料】
- バター 150g
- グラニュー糖 150g
- 薄力粉 150g
- 卵 3個(Mサイズ)(卵黄と卵白に分ける)
- バニラエッセンス 少々
- 塩 少々
- ベーキングパウダー 2g
- コニャック 小さじ2 (お好みで)
【準備】
- パウンド型に敷き紙をしく
- バターを湯煎にかけて溶かし、ひと肌くらいまで冷ましておく
- 薄力粉・ベーキングパウダ−・塩をあわせてふるっておく
【作り方】
- ボウルに卵黄を入れてほぐし、グラニュー糖の半分とバニラエッセンスを加え、泡立て器でよく混ぜる
- 1のボウルに溶かしバターを少しずつ加えて混ぜていく
- 2にふるった粉類とコニャック(ラムでも◎)を加えて混ぜる
- 別のボウルに卵白を入れ泡立てる。5分立てくらいになったら砂糖を少しずつ加え、さらにしっかりと泡立てていく
- 3のボウルにメレンゲの1/3を加え、ヘラでさっくりと混ぜる。(この時点で泡が全部消えないように気をつける)
- 残りのメレンゲを加えて混ぜる
- 170度のオーブンで35分〜40分くらい焼く。途中10分くらいのところでオーブンから出し、ナイフで真ん中に一本切り込みをいれる
※注意:Lサイズの卵を使うときは、粉・バター・砂糖を160gにする
さて、一ヶ月間限定で続けてきた焼菓子倶楽部ですが、今日で終了です。はぁぁ。名残惜しゅうございます。実際にレシピを見て作って下さった方、コメントやブログで報告して下さった方、とってもとっても嬉しくて励みになりました。ありがとうございました。ぺこりぺこぺこ。
でももちろんこれで焼き菓子が終わりというわけではありません。これからも折に触れ作っていくつもりですし、いつの日か第2弾焼き菓子倶楽部もやりたいなぁなんて淡い希望を抱いています。
焼き菓子倶楽部員の皆様は、引き続き研究に励み(食べることが最大の勉強)、そしてたまにふっくらし(?)、病める時も健やかなる時も、焼き菓子のある生活を愛おしんでまいりましょう。いつもいつまでも心は焼き菓子とともに。