cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

Cours Sainte Catherine (聖カトリーヌのハートケーキ)


 ヨーロッパのお菓子は、宗教的な行事と結びつくものがとても多いのですが、今日のお菓子もその一つ。 フランス・シャンパーニュ地方には、毎年11月25日「聖カトリーヌ祭」に食べるハート型のお菓子があります。主役は「その年25歳になる未婚の女性」。
 さて唐突ですが、今日はciponettaばあちゃんに登場してもらいます。ばあちゃん、どーぞ。
 こほ。むかーしむかし、フランスでは、25歳までの独身女性は「JEUNE FILLE」(乙女)、26歳をすぎると「VIEILLE FILLE」(オールドミス)と呼ばれたそうな。
 そんなわけで、11月25日は乙女たちの決戦の日。美しい帽子をかぶって「独身&絶賛募集中」のアピール。すばらしい出会いがあるようにと「聖カトリーヌ」(若い女性たちの守護聖人)に祈りを捧げるそうな。
 実は聖カトリーヌはお針子さんたちの守護聖人でもあってのぅ。パリのお仕立て屋さん(オートクチュールのメゾン)では11月25日に帽子の新作会を開くらしいんじゃ。ばあも今年は新しい帽子をあつらえてみようと思っているのよ。ぬほほ。
 はて、なにを話そうとしとったんかな。あ、そうそう。「クールなんちゃら(聖カトリーヌのハート)」は、この帽子をかたどったお菓子。オレンジの花の香り。砂糖漬けにされた果物の甘み。わずかに揺れるシナモンの残り香。恋を願う乙女の気持ちがつまっておるんじゃのぅ。せつなくて甘くてやさしいケーキ。幸せを祈る気持ちはいつも尊い。