cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

ILE FLOTTANT


 帰国しました。長い長い夢をみていたような二ヶ月半でした。前半は精神的にも肉体的にもきつく、苦しくて悔しくて毎日のように泣いていました。好きでいったくせになんですが、パリなんか嫌いだと何度つぶやいたかわかりません(すいません)。
 「涙を使い果たした」と感じたのは一ヶ月くらいたってからでしょうか。そのときにはかなり鍛えられて、意地悪な仕打ちもこたえなくなっていました。そしてときには反撃も。一歩前進(苦笑)
 道をうまく渡れるようになったとき(信号無視)、スーパーのレジで釣り銭ナシでぴったり払えた時、いつも通る肉屋のおじさんが挨拶をしてくれるようになったとき・・・。ささやかな幸せが重なるたびに、パリのことが少しずつ好きになっていった気がします。
 写真は、alain ducasseで習った「ILE FLOTTANT(浮島)」。クレームアングレーズの上にメレンゲを浮かべたビストロデザートの定番。メレンゲの上にはアーモンドサブレとキャラメルソース。トップにレース模様のキャラメル・デコール(ドーム・キャラメル)をかぶせて完成。
 なんだかんだいいながら、どうしようもなくパリに惹かれてしまうのは、こんなにも美しいお菓子があるから。作ることの喜び。食べることの喜び。忘れがたい人とのつながりを与えてくれたこの町とお菓子に感謝を。
 これから何回かにわけて、パリで作ったお菓子の話を書いていきたいと思います。

 留守の間、たくさんのスターやコメントをいただきましてありがとうございました。どんなにか心をなぐさめられ、そして励まされたかわかりません。ブログをやっていてよかったなぁとしみじみ思いました。ぺこりぺこり。