cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

はいさい!沖縄の風にのって




 1月の末に、沖縄に行ってきました。
 最高気温は23度。「沖縄の気温は風しだい。風がふけば涼しく、止むと暑くなるんですよ。でもね。夏は33度までしか上がらないと決まっているんです。おもしろいでしょう」とタクシーの運転手さん。「じゃ、本土より涼しいくらいですね」「そう。そして空気がカラっと乾いてるからビールがおいしいしんです」。ゴクリ。脳内にシュワシュワと泡が湧き出してきました。
 写真↑、行く先々で出会うシーサーたち。同じ顔の子はいないんじゃないかと思うくらい表情豊か。東北に置けば暴風を防ぎ、南に置けば火返し(火災防止)ってくれるのだそう。(酒ビン持ってる子は酔っ払い退治??)。どことなくユーモラスなその姿は、つらい逆風がふこうとも、「なんくるないさ〜」とはねとばすウチナーンチュの心意気を表しているようでもありました。

 


 写真↑、「美ら海水族館」。どこまでも蒼い世界。巨大水槽は去年まで世界一と認定されていたのに、ドバイにできた新しい水族館に記録を更新されたのこと。きぃ。ドバイめ(笑)
 水族館のある海洋博公園では、イルカショーもやっていました。海をバックに6頭のイルカが活躍。ショーにはでてきませんでしたが、難病で尾びれを失った「フジちゃん」が、青い人工尾びれをつけて元気に泳いでいました。
「この子(フジ)をもう一度仲間と泳がせてやりたい。水族館の獣医さんの願いが多くの人の心を動かし、様々な協力を得てかないました」(イルカ飼育の方のお話)。
 人口尾びれは、タイヤメーカーのブリジストン、造形作家・薬師寺一彦さん、東京大学、ボランティアの技術者の方たちなどの協力によって完成。体調のよいときにはジャンプも披露できるまでに回復したそうです。2007年にはフジちゃんをモデルにした映画「ドルフィンブルー」(松山ケンイチ主演)も公開されたとのこと。観なくては♪



 一番桜と言われる沖縄の緋寒桜(ヒカンザクラ)。梅のような濃いピンク色をしています。
「一年中花が咲いている沖縄では、本土の人ほど桜に対する思い入れは強くないかもしれません。たくさんある花のひとつ。花の見頃も2〜3週間と長くてね。満開になったとたん散っていく刹那な美しさというのとはちょっと違うんです。それでも沖縄人は集まって騒げる機会があれば、なんであっても嬉しいので最近は「花見」もするようになりました」。地元のおじさまのお話(手で踊るマネ)。

 花見より盛り上がるのは春の「清明祭(シーミーサイ)」。沖縄のお墓は独特の形をしていて、本当でよく見かけるのは亀甲状の「亀甲墓(きっこうばか)」。内部は女性の子宮を表し、人は母の胎内から生まれ死してまた帰る「母体回帰」という思想に基づいているといいます。お参りの後は、お墓の前にごちそうを並べ、飲めや歌えの大宴会。「供養」ではなく「祭り」とよぶところが沖縄らしいと思います。
 「この土地には宗派というものはなく『祖先が神様』。清明祭は死んだ人も生きてる人も集まって歌い踊る機会。亡くなった人たちが一族の絆を深めてくれる。祖先がいるから私たちは生きること喜びをわかちあえる。感謝感謝のお祭りなんですよー。」
 



楽園の沖縄では、つらい景色にも出会いました。アメリカ軍が駐留する嘉手納。早朝から夜10時までひっきりなしにアメリカ軍の戦闘機が飛び、隣の人との会話もままならぬほど。空気を切り裂くような轟音を数分おきに聞き、民家の上を飛んでいく戦闘機を目の当たりにして言葉もなく・・・。「昔はねぇ。このあたりは観光の人には見せないようにしていたんです。イメージ暗くなっちゃうでしょ。でも今は知ってもらいたいと思ってます。これもまた沖縄」。 




↑1990年には20匹まで減った「琉球犬」。その後沖縄の天然記念物に指定され、保護会によって現在は1000匹まで増えたそうです。



 
写真右上は、ソーミンチャンプルー。沖縄料理、いろいろ食べたかったのですが・・・。夜は疲れてホテルで食べちゃったりとか・・・(無念)。でもビールはおいしかったです。夢に見そうなほど。たくさんのエネルギーをもらった沖縄。次はもっとゆっくり行きたいなぁと思います。
 
※↓旅行中、何度かお名前を聞いた琉球王朝の末裔「井伊文子」さんの著。彦根に嫁がれてからも(夫は元彦根市長・井伊直愛氏)戦後の沖縄を憂い、社会福祉に貢献。歌人。エッセイスト。

わがふるさと沖縄―琉球王尚家の長女として生まれ

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