cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

京都のおへそ 


今日のおやつは「栗まんじゅう」と「栗パウンドケーキ」です。 両方とも栗をぽこりんと入れてみました。テーマは「へそ」。「へそ」と言えば「クリ」です(無理やり)。なにゆえ「へそ」かと申しますと・・・  
風邪で寝込んでいたお正月。アンテナ徘徊をしていましたら、「六角堂のへそ石」というとてもおもしろいお話に出会いました(2009-01-01 - ブチョ日記)。
京都の地図を広げてみますと六角堂(頂法寺)は町の真ん中。地下鉄烏森御池駅から南へ少し下ったところにあります。1200年前、桓武天皇が京の都を定めたときに、このお寺のへそ石(要石ともよばれる)を基点にして街路を区切ったと言われているそうです。しかも驚くことに、へそ石はただの石にはあらず。狸が化けているというではないですか???
「へそ石様と狸の関係は『有頂天家族』(森見登美彦著)にて」というusakobutyoさんのお言葉。さっそく取り寄せて読んでみますと・・・
「毛もはえていないすべすべの(石の)くせに生意気!」と思った子狸が(私じゃないですよ)、へそ石様を松葉でいぶしたところ、やがてプリンのように体をふるわせて、ワッと茶色の毛らしきものが・・・(『有頂天家族』より)
完璧に化けているタヌキにも一つや二つ弱点があり、そこを突かれると正体が露になってしまうというのがなんとも憎めないところ。この本では、人間よりも人間らしく、阿呆の血のしからしむままに生きるタヌキたちを、おかしくてせつなくて食べてしまいたいほど愛おしい存在として描いています。(食べるというのもこの物語のテーマのひとつ)。

それにしましても、狸や天狗が人間世界に紛れ込んでいても、すんなり受け入れられるのは京都という土地のもつ不思議な力。
物語には、前出の六角堂をはじめ、建仁寺の南にある六道珍皇寺の井戸(あの世とこの世の境との言い伝えあり。作中ではカエルに化けた兄狸が住む)、下鴨神社(狸一家の暮らす糺の森)、寺町商店街出町商店街南禅寺八坂神社、天狗の総本山鞍馬など様々な地名が登場します。地図を指でたどりながら、お寺の由来と照らしあわせていきますと、、あぁ京都に行きたいなぁと旅虫が騒ぐのでありました。

というわけで(いやもうちょっと前から決まってましたが)、日曜日から京都に行ってまいります。「有頂天ツアー」と称し、六角堂、下鴨神社南禅寺のあたりをまわってみるつもりです。 とくに南禅寺水路閣は、以前usauraraさんさんが素晴らしい写真を撮られていて、いつか是非にと思っていた場所。実物を見るのが楽しみです(2008-12-12 - 兎美味し 蚊の山)。

そうそう、京都といえば、わらび餅にあぶり餅、粟餅に豆餅♪ 甘い物もはずせません。
元旦に痩せると宣言したばかりなのに、おやつのことばかり考えてしまうとは、いけないタヌキじゃなかった人間です。これもまた阿呆の血がしからしむところ?? みたらし団子に興奮してうっかりぴょっこり尻尾をださないように用心用心。

有頂天家族

有頂天家族