cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

マドレーヌ・ド・コメルシー

 あけましておめでとうございます。
今年も甘くて酸っぱくてほろ苦いケーキ天気な一年にできたらと思います。どうぞよろしくお願いします。  
 さて、はてなにはキーワード機能というのがありまして、どんな「キーワード」で自分のブログに遊びに来てくれたかがわかるのですが、昨年の一位は「かもめ食堂」、二位「アメリ」、三位は「たちばなのかりんとう」でした。
 そう、一位と二位は、「映画」 。
 12月に集中して検索が入ったので、年末年始は映画三昧と言う方が多いのでしょう。かくいう私もその一人。好きなお菓子と飲み物を並べて、ソファでごろんとしながらシネマの世界へ。あぁお正月って素晴らしい。

  
 さて、初お菓子は「マドレーヌ」。
 ”失われた時を求めて”(マルセル・プルースト著)では、重要なキーワードとして登場します。「私は無意識に、紅茶に浸してやわらかくなった一切れのマドレーヌごと、ひと匙のお茶をすくって口に持っていった」。マドレーヌをひとくち食べた瞬間に、幼少の頃の記憶が鮮やかによみがえるというくだりはとても印象的です。


 マドレーヌは、19世紀フランス・ロレーヌ地方「コメルシー」という町で生まれた焼菓子。
 修道女が教会の資金のために作ったお菓子であるとか、宮廷のメイドさんがコックさんの代役で急きょ作ったものなど、その誕生には諸説あるようです。
 型に使われる貝の模様は、スペイン・サンチャゴ・デ・コンボステーラへの巡礼者たちが、お皿代わりに携帯していたホタテの殻を模したもの。コメルシーの象徴として、聖なるお菓子として、マドレーヌは旅人たちによって各地へ運ばれその名を広めたのだそうです。
 
        

 写真は、マドレーヌ・ド・コメルシー。楕円の木箱にいれられています。
 ひとくち食べて驚くのは「塩のきつさ」! フランスの地方の焼き菓子は総じて塩が強いのですが、コメルシーのマドレーヌにはかなわないんじゃないかと。。。。
 あと私は貝殻の模様が「表」と思い込んできましたが間違いでした。お店や箱にならべるときは、ぷっくり膨らんだ方を上にするようです。このぷっくりがマドレーヌの重要ポイント。「貝殻の模様」と「ぷっくり」の2つがそろって初めて「完璧なマドレーヌ」となるようです。
 指でつまむ小さなお菓子マドレーヌ。裏と表を交互に眺めながらマドレーヌのたどってきた道に思いをはせつつ・・・。ぱくり。