cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

A.LECOMTEの「スウリー」

 久々に青山一丁目の「ルコント」へ行きました。ルコントといえば、「スウリー」。「ハツカネズミ」の形をしたとびきり可愛いシュークリームです。
 以前は、銀座7丁目の資生堂ビルの裏にお店があったのですが、ルコントさんがお亡くなりになった後、閉店してしまいました。
 お給料をもらった日、新しい靴を買った日。お祝いするほどのことでもなく、でもちょっと晴れがましいような、ウキウキするようなことがあった日に、ルコントへ寄ってスウリーやサバランを食べるのが楽しみでした。
 銀座のお店の2階にはレストランがあって、ときどきルコントさん本人が、お腹をゆすりながら階段をおりてくることがありました。全部の種類のケーキを味見しなければ気がすまなかったというルコントさん。立派なお腹は、ケーキがおいしい証。お菓子の神様に見えたものです。
 38年前、フランス人としてはじめて、日本にフランス菓子を伝えたルコントさんのケーキは、洋酒やビターなチョコなど、「Tout a la Francaise (万事フランス流に)」を貫いた大人の味。でもただ一つ、子供にも食べられるようにと作られたのが、この「スウリー」だそうです。
 深く焼きこんだシュー生地の中には、たっぷりのクレーム・パティシエール(カスタード)。卵と牛乳だけで作ったクラッシックなクリームの味は、今も昔も変わりません。
 いつも迷うのは、頭から食べるか、おしりから食べるか?
 特に今日のは「最後の一匹」だと告げられたので、大事に食べなくちゃといつも以上に緊張。。
 プクっとふくれたお尻からのびる尻尾が、「早く食べろ〜」と言っているようにも「食べちゃダメ」とふるえているようにも見えて・・・(笑)。
 進化し続けるフランス菓子の中にあって、いつまでも変わらない、誰からも愛されるお菓子があること。それはとってもステキなことだと思います。

 実は今日は、ちょっぴり嬉しいことがあった日。11月に短期でイタリアに料理留学することになりそうです。 
 帰ってきたらまた会いに来るよ。スウリー君。
  
   ci vediamo♪