cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

旅のスタイル

   
 20歳で初めてイタリアに旅行したときは、着替えのシャツを2枚とGパン1本。リュック一つでひょいひょい歩いて、コイン式の共同シャワー(途中から水に変わる)しかない安宿に泊まっていました。何もかもが楽しくて、一つでも多く何かを見て帰ろうと歩き回ったものです。
 その後、何度か訪れたヨーロッパ。ギリシャで悪そうなお兄ちゃんに棒で殴られたり、フランスで鞄を切られたりと怖い思いもしましたが、イタリアでは危険な目にあったことはゼロ。それが「イタリアとは相性がいい」と思いこんだ理由の一つなのかもしれません。

 30代になって、旅のスタイルは大きく変わりました。鞄もスーツケースになり、その内訳にも変化が。美白パックに、湿布薬(足にはるやつ)、胃腸薬に目薬にと薬っぽいものが増えてきたのが悲しい(涙)。
そして、ちょっとカッコつけなきゃという時のために、替えの靴にワンピース、温度調節のできるカーディガンなんていうものも加わるようになりました。
 ただ、町歩きのときは、「これで大丈夫?」というくらい荷物は少なめ。ガイドブックは部屋に置き、地図1枚とクレジットカード、現金20ユーロほどをポケットに入れ、あとはデジカメのバッテリーをチェックすれば出発oKです。
「荷物1キロ減らすと視線が10cm上がる」というのが私の持論。疲れてくると、きれいだと感じる心も曇ってきます。疲れをためすぎないように荷物を減らす、これが最近覚えた小さな工夫です。
ま、あとは危ないと判断したとき、すぐに走って逃げられるという利点が・・・。(いやホントに)

 世界遺産の40%が集まっているイタリアですが、遺跡や歴史的な名所ではなくても、時々絵のように美しい光景と出会います。それは裏通りにはためく洗濯物の隙間から見える青空だったり、ドアを開け放したまま作業をしている革職人の工房だったり、家の前のいすで居眠りしているおじさんだったり。。。暮らしの中のありふれた風景の中にイタリアを感じる瞬間、旅はやめられないと思うのです。

写真は、リグーリアの町「チェルボ」。海の上にぽっかり浮かんだように見える「天空の町」です。ピンクや黄色のパステルカラーの家並みが、夏の日差しをやわらかく跳ね返していました。迷路のように入り組んだ道を上っていくと教会のある広場へ。行き違う町の人たちが、挨拶をしてくれます。「ボン・ジョルノ」(こんにちは)」、そして「ボナ・ジョルナータ」(よい一日を)。