cipolinaの甘い生活

お菓子ときどき旅

 Mozzarella(モッツァレッラ)街道 

 今年の1月、南イタリアのパエストゥムに行ってきました。パエストゥムナポリから車で1時間半ほどの小さな街。シチリアのアグリジェントに次ぐ古代ギリシャ建築の遺跡が多く残る場所です。ローマからアマルフィへの移動日前日、ガイドブックをパラパラとめくっていて、パエストゥムアマルフィ海岸から意外に近いことに気づき、急きょ足をのばすことにしました。
 ローマからサレルノ経由でパエストゥムへは3時間ほど。アウトストラーダを南へ進むとフロントガラスに差し込む日差しは徐々に強くなってきます。ヴェスピオ火山が右手に現れると、レモン畑が増え、丘の上からこちらをまぶしそうに見下ろす小さな村々が所々に見え隠れし始めます。
 途中、ガソリンスタンドで給油。カードに漢字でサインをしていると、お店の人が寄ってきます。「初めてみる字だなぁ。なんて読むんだい?」。日に焼けた顔、しゃがれた声で話すおじさんの言葉はちょっぴり聞きづらい。南の人特有の少し怒ったような話し方(そう聞こえるだけ)。名前を教えると、おじさんは胸に手を当て、嬉しそうなジェスチャーで応えてくれます。茶目っ気たっぷりのしぐさに「南へ来たなぁ」と実感がわきます。アウトストラーダの出口、サレルノはもうすぐです。
 国道に入ると、道の両側に延々と続く「mozzarelle di bufala(水牛のモッツァレッラ)」の看板が目に飛び込んできます。立ち並ぶお店も工場もモッツァレッラ一色。「モッツァレッラ街道」の出現に胸が高鳴ります。遺跡を目前に頭の中はもう真っ白(モッツァレッラ色)。昼ご飯は「mozzarella」が食べられる!
続きは明日。